捨てないで下さい!
今日の記事は、私のコンサルティングの仕方(ある意味、企業秘密的なもの)に関わることなので、書こうかどうしようか迷ったのですが、これからパーソナルカラー診断を受けようと思われている方の参考になればと思い、書くことにした内容です。

お客様とお話しをしていると、パーソナルカラー診断を受けると、身につけるもの全てを自分のパーソナルカラーにしなければいけない、と思われている方がかなり多くいらっしゃることに驚きます。他所で診断を受けて、カラーアナリストと名乗る人に、そのようにアドバイスをされた経験があって、そのように思い込んでいる、あるいは思わされている、という方も多くいらっしゃるようです。

「バッグを買おうと思っているけど、いいなと思ったデザインで、黒と茶があります。黒も茶も自分のシーズンの黒、茶かどうかよくわかりません。どっちにしたらいいですか?もしくは、それをやめて、自分のシーズンの黒や茶のバッグを探したほうがいいですか?」という質問を、以前お客様から受けたことがあります。

その際、私は、「バッグですし、ニュートラルカラーなので、パーソナルカラーにこだわる必要は基本ありません。靴が黒が多いなら黒、茶系が多いなら茶が合わせやすく使いやすいですよ。」と返答しました。

なぜなら、バッグは「顔の色」に影響を与えるようなものではないからです。

パーソナルカラーというのは、その方に似合う色のグループのことで、「似合う色」とは、「肌に調和する色」、つまり「肌を美しく見せてくれる色」ということです。そして、ここでの「肌」というのは、ほぼイコールで「顔」ということです。パーソナルカラーを身につけることによって、「顔色が良く見える」、「顔に映える」、「(顔の)肌が美しく健康的に見える」という効果を皆さん期待して、パーソナルカラー診断を受けられているはずです。逆に、「似合わない色」とは、「肌に不調和な色」、具体的には、くすんで見えたり、不健康そうに見えたり、クマやシミなどの欠点が強調されてしまうような色のことです。これも、やはり「顔(色)」に対するものです。

ですので、顔周りに似合う色(パーソナルカラー)を使う、持ってくる、というのが基本です。逆に、似合わない色は、顔周りに使用するのはなるべく避けて下さい、とアドバイスします。顔周りとは、顔の近く、そして顔の上(眼鏡や化粧)のことです。

私は、お客様に、決して、バッグや靴も含め、全身をご自身のパーソナルカラーにしたほうがいい、とは言いません。靴やバッグなどは、顔の近くで使って顔の色を変えてしまうようなものではないですし、洋服も、顔から離れたところでしたら顔の色には何の影響もありません。小さなジュエリー、アクセサリーならなおさらです(ジュエリーやアクセサリーの色に関しては、面積的に小さいから顔色への影響がほとんどないというだけでなく、ご自分のパーソナルカラー以外の色も違和感なく身につけて頂ける場合も多くあります)。

また、洋服の場合、顔の近くであっても(トップス)、ある方法を使えば、似合わない色を着ても、その色の影響を受けないようにしたり抑えたりすることは可能ですし、洋服は、似合う色であっても、デザインがその方に似合っていないと着ていてかなりの違和感がありますので、色だけ似合う色にすればいいというものでもありません。逆に、デザインや素材がその方に似合っていて、色だけご自分のパーソナルカラーと違う、ということでしたら、その方に似合って見えて、ご本人も着ていてほとんど違和感がないはずなので、顔の近くで着る場合のみ、色の影響を抑えるだけで充分だと思います。

しかし、お客様のお話しを伺っていると、「以前パーソナルカラー診断を受けたところでは、ジュエリーはゴールド色が似合う、シルバー色のものは身につけないほうがいいと言われた」とか、「似合わない色のものは着ないほうがいい、バッグや靴も全て似合う色にしたほうがいい、似合わない色は捨てたほうがいい」と言われたなど、私からすると信じられないような話がたくさんあります。人がお金を出して買ったものを「捨てたほうがいい」と言ってしまえるとは、ある意味すごい話です。

もちろん、どんな色を着るかは個人の自由ですから、靴やバッグも含めて全身を自分のパーソナルカラーで揃えたいということでしたら、それはその方の自由ですし、ご自分で似合わない色は捨ててしまいたいと思われるのでしたら、それも自由です。

ただ、もし受けられたパーソナルカラー診断の結果が正確でなかったらどうでしょうか?実は別のシーズンでした、となったら、本当は似合う色だったのに、似合わないと思って捨ててしまっていては、後の祭りです。実際、そういう方が結構うちにはいらっしゃるのです。

ですので、パーソナルカラー診断を受けても、靴やバッグも含めた全身をご自分のパーソナルカラーにする必要はありませんし、ご自分のパーソナルカラー以外の色はもう着られないから、身につけられないからと捨ててしまう必要もありません。逆に、そのようなアドバイスをする方はあまりにも無責任ですしプロとは言えません。
posted by: イリス | 雑感 | 17:05 | - | - |-