「パーソナルカラーセミナー」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく、そのほとんどが、「パーソナルカラー=自分に似合う色だから、そのセミナーに参加すれば、自分に似合う色、パーソナルカラーがわかるのではないか。」というものでしょう。
少し前の話になりますが、昨年の12月、ある女子大で「パーソナルカラーセミナー」を実施しました。基本的には学生達主催で、各分野の人を招いて話を聞く、といった趣向らしく、その大学に勤務している友人からの紹介で、実施することになりました。
さて、ここで何を話そう、どんな内容にしよう、と考えた時に、前述した「パーソナルカラー=自分に似合う色だから、そのセミナーに参加すれば、自分に似合う色、パーソナルカラーがわかるのではないか。」という参加者からの期待をどう扱うか、という問題に突き当たります。
このブログや
Webサイトでも何度も書いているように、
参加者が複数いる2時間程度のセミナーやイベント、カルチャー講座などで、参加者全員が自分のパーソナルカラーがわかる、ということはありえません。しかし、セミナーやイベントの主催者たちは、参加者が期待するのと同じように、さもそれが当たり前かのように頼んできます。
曰く、「2時間で15人くらい集めてイベントをやりたいので、その中でささっと(おいおい)全員のパーソナルカラーの診断をお願いしたいんですが。」とか、平気で言ってきますからね。
ひどいのになると、「イベントに参加すればその後の集客に繋がるから宣伝になりますよね。だから無料でお願いできませんか。」とか・・・。
そういうのは理由をお話ししてもちろん全部断ってますけど、きっと、そういう依頼を受ける人がたくさんいるのでしょう。だから、パーソナルカラーのセミナーやイベントなどで自分のパーソナルカラーがわかると思い込んでしまう一般の方、主催者がいて、結局、悪循環が続いてしまうのだと思います。
さて、そんなこんなで、いろいろとセミナーの内容を考えました。今回は学生の主催でセミナーの場は大学、さまざまな職業の人に話を聞く、という趣旨とのことでしたので、
若い人達に本当のパーソナルカラーを知ってもらい、これからたくさん見聞きするであろう巷に溢れる「パーソナルカラーもどき」に惑わされないようにしてもらおう、という内容にすることに決めました。
セミナー当日、最初に、「今日のパーソナルカラーセミナーに参加すれば自分のパーソナルカラーがわかると思っていた方はいますか?」と聞いたところ、予想通り、ほぼ全員が手を挙げました。
そこで、「パーソナルカラーというのはこういうセミナーですぐにわかるようなものではないんですよ。」と言って、本当のパーソナルカラー、本物のパーソナルカラーとはどういうものか、どのようにして診断をするのかを説明しました。
だから、書籍やネット上の自己診断チャートなど何の意味もないし、美容院や化粧品のカウンターで言われる、「あなたたぶん夏ね」などというものがいかに無意味か、ということも話しました(こういう経験がある学生さんも参加者の中に少なからずいました)。
セミナーの最後には、「パーソナルカラーもどき」を見分ける注意点を挙げ、「こういうものに惑わされないようにして下さい、正しいパーソナルカラーを知るまでは、自分自身の好きな色を着ているほうがいいですよ。」と言って締めくくりました。
よく考えると、何だか悲しい話なんですが、あの手この手でお金を使わせようとする人達に対して、賢い消費者になることは必要ですし、特にパーソナルカラーに関しては、それをゆがめて商売にしようという「もどき」の広まりがすごいので、結局このような内容になることはやむを得ないのだと思います。もちろん、本当のパーソナルカラーがどんなものかを知ってもらい、それを実際に活用して頂けたら、パーソナルカラーコンサルタントとして、こんなに嬉しいことはありません。