色についての「迷信」
メイクやファッションの世界では、色に関して、根拠のない迷信的なことが結構信じられています。曰く、「ほとんどの日本人に似合う色味」とか、「日本人の肌をきれいに見せる色」、「誰にでも使える万能色」、「年を取ったら華やかな色を使うべき」なんていう類のものです。

以前、何となくテレビショッピングを見ていると、カリスマ美容家みたいな人が出てきて、自分で作った化粧品を売っていました。画面からの判断ですが、イエローベースのファンデーションを塗って、それでそのモデルさんは肌がきれいになったように見えました。なのでこのモデルさんはきっとウォームの人なんだろうなあと思いながら見ていたのですが、その次に、「どんな人にも万能の効果があるという女優ハイライト」なるものが出てきて、少し紫がかった白のハイライトを目元に使っていました。このハイライトは間違いなくブルーベースの色です。画面からだけでも、明らかにモデルさんの目元がくすんでいました。

なのに、面白いことに、司会の人は「まあーっ、きれい!すごい!」を連発。いくら商売とはいえ、ここまで露骨にできるんだなあと、ある意味感心しました。

雑誌やテレビなどで見るメイクは、実際に普通の方がするメイクとはかなり異なります。雑誌などは一瞬ですし現在ではかなりの修正をしています。またテレビはハイビジョン化というのはありますが、照明がすごいので、そんなにあらが目立ちません(たまにいつもはきれいな肌の女優さんが生の公開番組などに出ていると肌の状態が悪くてびっくりすることがありますよね)。

しかし、雑誌やテレビなどを見て、皆さん期待して化粧品を購入されるようです。カリスマ○○という人達が次から次へと登場しています。その人達が薦めているから、と言う理由で購入する方も多いですね。そこで上記のような「迷信」が登場します、メーカーは商売ですからあの手この手で売りつけようとします。雑誌もその広告媒体の一つに過ぎません。

「年を取ったら華やかな色を使うべき」というのは(これは洋服などでもよく言われますが)、パーソナルカラーの観点で言えば迷信でしかありません。秋のくすんだ色が似合う方や夏の淡いパステルカラーが似合う方は、一生その色が似合うのです。年齢を重ねたからと言って急に鮮やかな色が似合うようにはなりません。

よく、新聞やテレビなどで、一般の方(特に年配の方)を対象にした「おしゃれ講座」「変身講座」みたいな企画を見かけます。女性ならメイクとファッション、男性はファッションのみなのですが、それを見るたび、この「年を取ったら華やかな色を使うべき」という迷信がこれほどまかり通っているのかと驚くとともに、ファッションでは、「年を取ったら若々しいデザインで活気を出す」というような迷信が加わり、ものすごいことになっているのにも驚きます。

こういう企画は、一般の方をモデルとして、メイクやヘア、ファッションなど、その道のプロと言われる人達がその方を「改造」していくのですが、パーソナルカラーを無視した鮮やかな色使いと本人のイメージ(私達が使うパーソナルカラーにはイメージも含まれています)を無視したファッションで、「無理に若作りをしました」感が否めない仕上がりになっているものがほとんどです。ビフォアとアフターの写真を見ても、前のほうがご本人に合っているなあ、と思うことが多いのです。

こういったものは、その道のプロの方達が、パーソナルカラーの知識がないのはもちろんのこと(もし知識があれば、「年を取ったら華やかな色を」などと言うことは言えるはずがない)、ご自分のセンスに自信があってご自分の感性でいいと思うものを人に薦めており、その方一人一人に合ったものを薦めているわけではないので「改造」というよりは「改悪」になってしまっているのです。きっと、あの変身後、ほとんどの人は居心地が悪く感じて元に戻っていると思います。

ご自分の正しいパーソナルカラー(イメージも含まれます)を知れば、こういった「迷信」に惑わされることはなくなるんですけど、「本物のパーソナルカラー」がなかなか広まらず、「パーソナルカラーもどき」が幅を効かせている現状では、難しいかもしれません。
posted by: イリス | 雑感 | 20:41 | - | - |-